子どもの聴力向上に必要な人工内耳マッピングとは?

先日、人工内耳のマッピングの為病院に行ってきました。今回はその時の様子を書きたいと思います。

我が子は、現在2歳8か月で、人工内耳を装用してから、左耳は1年5か月、右耳は9か月です。

マッピングとは?

マッピングとは、人工内耳の電極の信号出力を調節して、個々のより良い聴こえの状態にするためのものです。

調節したプログラムを「マップ」と言います。初期のころは出力を控えめに設定し、次第に聴力に合わせて出力を強めていきます。一定のレベルまで出力を上げたら、装用者の生活スタイルに合わせて微調整を行います。

人工内耳のマッピングの手順

音の感知と調整

  • 言語聴覚士によって専用の部屋やブースに案内されます。
  • 装用者にさまざまな高さ、強さの音を聞かせながら、音に対する反応を言語聴覚士が観察します。例えば、ある周波数の音を嫌がる、または別の周波数の音は何も反応をしないなど

音の感知と調整によって、装用者は最適な聴こえを得ることができるようになります。

幼児のマッピングの手順・実際

ここからは今月の実際のマッピングについてお伝えします。

 

受付を済ませ、耳鼻科のマッピングの専用の部屋にいきます。

この部屋は、子どもが緊張しないようおもちゃや絵本などを置いてあり、キッズスペースのような場所になっています。

人工内耳の本体とマッピングを行うパソコンを繋げ、人工内耳の音の音量や高さなどを片方ずつ調整していきます。

 方法としては

 ①自由におもちゃで遊ばせる

 ②パソコンから設定中の人工内耳に音を流し、聞かせる

 ③反応をみる(例:顔をあげる、おもちゃで遊ぶのをやめるなど)

 このくり返しで、調整していきます。

 そして、各人工内耳の調整が終了したら、両耳の人工内耳を装着させ、しばらくおもちゃで遊ばせ、「音を嫌がらないか」「怖がらないか」などを観察し、調整した音が装用者に合っているかを確認していきます。

その中で、遊んでいる装用者の死角から様々な音(楽器の音や、電子音など)を聞かせ、音が鳴った方向に振り向くかなども確認していきます。

 以上がマッピングの流れです。

 今回のマッピングでは、最初の方こそ音が聞こえると、パソコンの方や、言語聴覚士の方を見ていましたが時間がたつに連れて、大好きなおもちゃに夢中になり、聴こえているはずの音に反応しないということがありました。子どもが成長してくるとありがちなことらしく、音への興味よりおもちゃの楽しさが優位に立つため生じるとのことです。

 特に小さい子どもの場合は、まだ聴こえる聴こえないを言葉で伝えることが出来ないことから、音反応をみて調整する必要があることため、今後どのように音に興味を持たせて反応させていくか検討する必要があると思われます。

マッピングの時間としては、両耳で1時間程度でした。

今回の変更点は、

①全体的に、少し音の出力を上げてもらいました。

②ソフトマップ継続時間という項目を更新してくれました。(5分→3分)

※電源を入れてから、3分後に設定された音量に徐々に上がっていくように設定してくれました。

人工内耳は電源を入れたらすぐに設定された電気信号が入るわけではなく、子どもなどは急に大きな音が入るとびっくりするので、徐々に上がっていく設定にすることが多いようです。

現在の状況

今月で装用してから、左耳は1年5か月、右耳は9か月ですが、今までは1か月に1回マッピングを行っていたのですが、聴こえの状態も良いようなので、次回からは2ヶ月に1回で良いとのことです。

・聴こえは40dBに反応あり (ささやき声、静かな図書館に相当する値です)

・こちらの指示を聞いて行動ができているので言葉の理解は少しずつですが追いついているようです。

・「〇〇取って」というと指示されたものをとってくれる

・「少し待ってね」というとちゃんと待てる

・「歯磨きをしよう」と歯磨きの真似をしながら伝えると、歯ブラシを取りに行く

・発語も増えてきました(ママ―、あか、しろ等)簡単な1語の発語が見られるようになりました。

次回のマッピングでは、調整時にきちんと反応してもらえるよう、声をかける際に工夫をしてみようと思います。

「聞こえたら”はーい”してね」といった具体的な指示で、家庭でも練習をしてみます。

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